−シルバークレイ教室−
応用編〜PMC3純銀粘土で作る甲丸スクロールリング〜
- いよいよ応用編。
まずは「土台から作る甲丸スクロールリングの作り方」をの解説です。
(リングの土台作りが一番難しいのですが、リングメーカーを使えば、初心者の方でも挑戦できます。)
※サイズ・分量は「完成サイズ15号の場合」となります。
【行程1】リングのサイズを決める
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(1)木心棒の下準備
指輪用の木心棒に紙(A6判程度)を巻き、セロファンテープで固定します。
紙は木心棒の先から1cmくらいはみ出すように固定すると、リングの乾燥後の取り外しが容易になります。
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(2)指サイズの計測
指輪ゲージで指のサイズを測ります。
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(3)木心棒に印付けします。
指のサイズよりも3号大きいサイズの穴に木心棒を差し込み、鉛筆で木心棒に印を付けます。
【行程2】リングのひもづくり
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(4)粘土の準備
銀重量9gのPMC3純銀粘土を用意します。
PMC3は非常に乾燥しやすいので、制作時には必要な分だけ取り出し、残りは必ずラップに包んで保管します。
[POINT]
・ ラップで包むことにより粘土の乾燥を防ぎます。
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(5)粘土を練ります。
取り出した粘土を直接指で触れないようラップで包み、手早く練り混ぜます。
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(6)粘土をひも状にします。
取り出した粘土を、伸ばし板やCDケースなどを使って、均一な太さのひも状にします。
6〜7cmくらいの長さになれば完成です。
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(7)ひも状粘土の完成
伸ばし板やCDケースなどで上から押して少し潰します。
出来上がったひも状粘土の表面に、軽く水を塗ります。
【行程3】甲丸リングのつなぎ方
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(8)リング型の完成
(7)の水を塗った方を内側にして、ひも状粘土を木心棒に巻き付けます。
[POINT]
・ 木心棒に水平になるよう、まっすぐに巻き付けます。
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(9)重ね合わせ
粘土の両端を軽く合わせます。
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(10)カッターを使い粘土を削ります。
カッターを使い、重なった部分を上から下に斜めに押し切ります。
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(11)粘土の除去
上に重なった粘土を少しだけ持ち上げ、切り取った粘土を取り除きます。
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(12)粘土のつなぎ合わせ
つなぎ目まっすぐになるように重ね、水でなじませながら繋ぎ合わせていきます。
[POINT]
・ 強く押さえると形がゆがんでしまいます。力を加え過ぎないよう注意して下さい。
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(13)つなぎ合わせの完成
(12)が完成すると、こちらの画像のようになります。
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(14)粘土の形成
指に水を付けて、木心棒を回しながら角を丸くしていきます。
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(15)角を取ります。
次に指に水を付けて、リングの角を取っていきます。
この時、指を動かすのではなく、木心棒を回しながら角を取っていくようにします。
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(16)甲丸リングの土台の完成
(14)(15)で甲丸のなめらかな造形が出来上がったら完成です。
完成したら、心棒に純銀粘土を巻き付けた状態で、ドライヤーをあて充分(30分程度)乾燥させます。
[POINT]
・ はみ出した部分は、乾燥後に整えます。
・ リングメーカーを使えば、(1)〜(16)の行程が省けます。
【行程4】乾燥体の仕上げ
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(17)木心棒から取り外し
木心棒から乾燥体を取り外します。
乾燥体の内側には、画像矢印のようなバリがついています。
[POINT]
・ リングから上をはがす時は、紙をゆっくり丁寧に内側へ織り込むようにして取り外します。
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(18)バリの除去
ヤスリを使い、バリを取り除きます。
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(19)乾燥体の研磨(外側)
スポンジ研磨材を使って表面をきれいに整えます。
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(20)乾燥体の研磨(内側)
スポンジ研磨材を丸めて、内側のエッジを取ります。
[POINT]
・ 仕上がりの美しさに大きく関係するので、(19)(20)の作業は丁寧に進めて下さい。
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(21)乾燥体の完成
こちらの画像のように仕上がったら完成です。
[POINT]
・ デザインリングを使えば、(1)〜(21)の行程が省けます。
【行程5】彫りによる模様の付け方
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(22)デザインの下書き
鉛筆を使って、デザインの下書きをします。
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(23)下書きの完成
(22)が完成すると、こちらのようになります。
画像を参考に、好みものをデザインして下さい。
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(24)彫刻刀で彫る
下書きのラインを、彫刻刀(三角刀)で彫ります。
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(25)デザインカッターで彫る
デザインカッターで彫り込みを深くし、凹凸を表現します。
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(26)ヤスリで仕上げ
ヤスリを使って角を取り、スポンジ研磨材で丸みを出します。
拡大画像のようになったら完成です。
【行程6】焼成と仕上げ
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(27)リングの焼成(シルバーポットを使用)
固形燃料をシルバーポットに入れ、網の上に(26)をセットしフタをのせます。
そして炎防止の金網ハットを被せ、着火します。
この作業の前に、封入されている「警告・注意書」をよくお読み下さい。
※写真のシルバーポットは、断面が判るように加工されています。
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(28)焼成の終了
焼成直後は白い結晶がこちらの画像のような状態です。
焼成体を研磨し、白い結晶を取り除いていきます。
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(29)鏡面仕上げ
みがきベラを使い、サンドペーパーやスポンジ研磨材の目を徐々に細かくして研磨していきます。
最終的にシルバークロスで鏡面に仕上げていきます。
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(30)鏡面仕上げの終了
鏡面仕上げが完了すると、こちらの画像のようになります。
鏡面がお好みの場合は、この段階で完成となります。
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(31)いぶし加工
熱湯100ccにいぶし液を2〜3滴落とします。
時間を調整し、好みの黒味にいぶします。
いぶした後は流水で洗い、乾燥させて下さい。
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(32)仕上げ
いぶし加工後、表面の部分をサンドペーパーやスポンジ研磨材などで鏡面に仕上げます。
リングの内側は、スポンジ研磨材(青→緑の順)で軽く磨いて光沢を出します。
最後にシルバークロスで軽く全体を磨いて光沢を出します。
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(33)完成
完成すると凹部分がいぶし加工されたリングが出来上がります。
甲丸リングの作り方は判りましたか? 次は、「PMC3純銀粘土で作る平打ちリング」を解説します。