−画材のエコロジー−
画材の有害性に関する懸念は、ずいぶん昔からいわれてきました。特に、専門画家と趣味の画家の境があいまいとなり、多くの人々が絵画等の制作を楽しむようになって、よけいに有害性に関する恐れが高まっています。
子供を持つ親にとっては、自分が使っている絵具などを子供が口にしてしまった時の驚きようはひとしおでしょう。実際、年に2度か3度は、母親または、治療にあたったお医者様からメーカーの研究室に対して有害性の照会や、絵具等の構成内容についての問合せがあるようです。
子供の誤飲の防止に限らず、画材の有害性についてはもっと知られるべきでしょう。特に、画材を使用した後の処理の問題については、現状では、各個に処理法が任され、一部の学校等を除いてまったく処理を意識されずにゴミや廃液として垂れ流されているのが現状でしょう。メーカー側も、これといった根本的対策をとることに消極的です。
楽屋では、画材から発生する有害性物質について考え、有害性物質の現状、発生過程や人体への進入経路を検証し、今後どう取り組んでいくべきかを考えてみました。
【有害性への対策】画材の有害物処理方法(試案)
- 1.【発生原因】 2.発生状況 3.●個人的処理方法 4.・本格的処理方法 以下は1 - 4の順に記載。 【顔料】 顔料そのものを処理することは少ないと思われるが、画面…
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【有害性への対策】画材の有害・危険性表示
- 画材に関しては、主に大人が使うことが前提になっていますが、「有害性」と「危険性」について表示があり、次のようなアイコンが目に付きます。 有害性あり 引…
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【有害性への対策】現状の法規制について
- 絵画関連材料の有害性物質については、以下のような法的規制があります。 まず、健康面からの有害性に関して『毒物劇物取締法』および『労働安全衛生法』の「特別化学物質等障害予防規則」と「有機溶剤中毒予…
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【楽屋からの提言】楽屋からの提言
- 提言1 画材には有害物質が含まれるという認識を持つ 提言2 材料への知識を深める(商品表示をよく理解する) 提言3 廃棄方法に十分配慮する(試案参照) 表現を旨とする芸術家にとって、…
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【画材の有害性】絵画関連の有害物質の発生状況
- 発生源別分類:製造工程 ■発生行程:原料配合時 【発生状況】 絵具製造の場合などでは、粉体顔料の配合・ミキシング時に舞い立つ埃中に大量の有害物を含む場合がある。これは、全ての…
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【画材の有害性】人体への進入プロセス
- 有害物または毒性物質といっても人体やそのたの生体に入らなければ、その有害性を発露しません。 絵画材料を扱う際に、有害物質が人体に進入する経路については、次のようなパターンが考えられます。画材の使…
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【画材の有害性】画材の有害性問題の経緯
- 絵画材料の有害性に関する問題については、古くから言われていたにもかかわらず、あまり深刻に考えられてはいないようでした。 『毒物劇物取締法』などで規制されていた国産の絵具には、表示の義務が課されて…
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